3月。
桜やユキヤナギが咲く春の瀬戸田は初めてだった。
まだ冷たくて透き通ったきれいな海。
こんなにも静かな海を見たのもたぶん初めてだ。
撮影を終えて、瀬戸田・岡山・三重と友人に会いながら次の撮影地に向かう。
紀勢本線に乗って初めての三重に向かい、知らない土地の景色が流れていく様子がとても良かった
そんな道中で、以前お世話になったプロデューサーの冨田さんから突然連絡があった。
友人と新しい会社を設立した、という報告と共にメールの最後には
「変わらず映像制作やっております。」
の一言が添えらていた。
それは僕にとって胸を刺されたような言葉だった。
急いでメールを返して、その日は折り返しの電話を待つとても落ち着かない日になった。
そして気がつけばもう7月を迎えようとしている。
あの日見た瀬戸田の海と、沢山の人が、湘南・葉山の海まで連れてきてくれた。
できない事も沢山あった。それでも少しずずつ歯車が噛み合っていくような日々を送っている。
夏雲が顔を出した初夏の撮影
ずっと忘れない。
sakument
